めしこです。
今回は共に生きる と書く、”共生”です。
前回も共生にはいくつか種類があるというような話を書きましたが、
大きく分けて2つ、
相利共生(そうりきょうせい)
片利共生(へんりきょうせい)
があります。
相利共生は、異なる生物が同じ場所で生活することで互いに利益を得ることができる関係です。
シェアハウスで暮らす人間に例えると、掃除担当と料理担当が一緒に協力しながら住んでいる、という感じですかね。
海のいきものの共生関係でおそらくもっとも有名なものはこちら。
イソギンチャクのもつ組織から分泌される毒で魚などをしびれさせてエサにしています。クマノミは体表面にイソギンチャクの持つ成分と似たような粘膜が分泌されているそうで、イソギンチャクはクマノミをエサと認識しないそうです。だからクマノミは無事なんですね。(ソース:環境省 クマノミとアジサイイソギンチャクの共生 のページより)
クマノミはイソギンチャクに隠れることで外敵から身を守り、また、イソギンチャクの敵となる魚を追い払います。また、クマノミのエサの一部をもらうなど、相互に利益のある関係を作っています。
こちらはハゼとテッポウエビのなかま。
この二匹の関係も相利共生です。
テッポウエビは穴を掘り営巣(巣をつくる)するほか、巣穴のメンテナンスも担います。
ハゼは巣穴とエビの見張り役です。
また、テッポウエビはハゼの排せつ物をエサとしたり、ハゼをクリーニングするという行動も見られるようです。
上の写真は南の海で撮ったものですが、女川の海でもハゼとエビの共生を見ることができます。
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次は片利共生。これは字のごとく、片方だけが利益を得ている共生です。
写真はタイで会ったジンベエザメ。
ジンベエザメのまわりにたくさんいる魚。これはコバンザメです。
サメと言ってもスズキのなかまで、頭に小判型の吸盤があることから名前がつけられました。
このジンベエザメだけではなく、クジラやウミガメにもひっついて、エサのおこぼれをもらいます。
ジンベエザメには一切利益はありません。そして害もありません。
片利共生で一方に害があれば、それは寄生とほぼ同じになります。
ジンベエザメにとっては、「周りになんかいるな~」くらいのものなのかもしれませんね。
こちらは私の好きなイガグリホンヤドカリ。
好きなので過去2、3回ブログに登場しているかと思います(笑)
このヤドカリが背負っているのは”イガグリガイウミヒドラ”という動物なのですが、これも片利共生かな?と思います。
ヤドカリにとって害はなく、ウミヒドラは移動することで外敵(いるのかな?)から身を守りつつ、エサを得ることができる、という感じではないかと考えています。(確たる根拠はありませんが…)
または、このウミヒドラが嫌いな外敵がいて、それから身を守るためにヤドカリが背負っている、ということもあるかもしれませんね。
そうなると相利共生となります。
このように、海の中でも動物たちは同じフィールドで共生しています。人間も同じですね。
”寄生”や”片害共生(片方が害を被る関係)”も、自然界ではなくてはならない行動なのですが、お互いがお互いを支えて・協力して生きていければいいなぁと思います。
多種多様な生物や、それらが起こす行動を見て楽しませてもらっているわたしたち人間は、それらにとって何か利益をもたらせるでしょうか?
害を与える存在にはなりたくないですね。
さて、次回でうみのなかブログVol.2も最後となります。
よろしければ引き続きどうぞ、お付き合いくださいませm(__)m