ダイバー・めしこの うみのなかブログVol.2 第9回〜海は凍る? 編~

めしこです。

 

今回はちょっとした、理科の話です(笑)

 

さて私はさる2月中旬、北海道は知床の海へ行ってまいりました。

知床半島にはこの時期、大量の氷が北の海より流されてきて接岸します。

 

この氷はロシアのアムール川の水(だけではありませんが)が海へ流入し、それが寒気により凍ってできるものが元になっています。

陸にある水が凍るような気温でも、わたしたちが普段見ている海は、凍っているところを見る機会はほとんどありません。

海の水(=塩分を含む水)は、淡水(=ふつうの水、真水)よりも密度等の関係で凍りにくいということや、水が絶えず動き、またその量が膨大であるため凍結しにくくなっています。(仔細は省きます)

淡水はその温度が0℃になると凍り始めますが、一般的な海水はマイナス1.8℃で凍結します。ですので、海水温はいくら低くてもマイナス1.8℃より低くはなりません。※ただし、塩分濃度によって氷結温度には差があります。

凍るといっても、海水の中の真水が凍るだけで、実は塩分(濃い海水)はなかなか凍りません。

フルーツ味のアイスを作りたくて、フルーツジュースを冷凍庫に入れた経験はありませんか?また、夏にペットボトルのジュースを凍らせて持ち運んだことはありますでしょうか?

どちらも、完全に溶ける前になめたり飲んだりすると、やたら味が濃いところとほとんど味がしないところがありますよね。水は水同士で結びついていたいので、水以外の不純物を排除して氷になろうとします。これは海でも一緒です。

↑写真の上部がもやもやっとしていますが、これは水の塩分濃度の違いによるものです。視界が著しく悪化します。

 

私が潜ったのは気温マイナス6℃、水温マイナス1.7℃の海の中。

流氷に穴をあけてそこから海へと入りました(※特別に許可されているもので、だれでもできるというわけではありません)。

陸上から見ても美しいですが、水中からの景色もとても幻想的でしたよ!

 

 

もちろんクリオネもいました。

このクリオネ、日本名は”ハダカカメガイ”。え?かわいくないって?

その名前のとおり、貝を持たない貝のなかまです。貝がない貝…どこかで聞いたことありますね、ここでバックナンバーをどうぞ(笑)→http://i-umisakura.com/topics/1050.html

震災前に女川周辺の海水温が3度くらいまで落ちた際に、クリオネも見れたそうです。私はそのころはダイバーではなかったので、ダイバーさんが採取したクリオネを職場の水槽で観察していました(捕っちゃだめですよ)。

クリオネのエサとなるのが”ミジンウキマイマイ”というこれもまた貝のなかまですが、こちらは数年前に女川で観察したことがあります。

もしかするとクリオネも来ていたのかも…?

 

 

さてさて、少し 凍る海の話に戻りますが、石巻でも海(?)が凍ることがあります。

今年は私の知る限りではありませんでしたが、外気温も水温も低い日は万石浦が凍ります。

(↑おだやかな日の万石浦。湖のようです)

といっても全面が凍るわけではなく、水の動きが少ない端の部分が凍りやすく、そこはうみねこが立てるくらいです(笑)

石巻湾も北上川の水が多量に注がれているので表層の塩分濃度はもしかすると低くなっているかもしれません。

大寒波が来たら(困りますが)、もしかすると流氷のようなものが形成されるかも?しれませんね。

 

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