インタビュー02

プロダイバー宮城了大
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宮城了大RYODAI MIYAGI

文 / 鈴木陽子 写真 / 宮城了大 島田暢

みんなが遊べる未来へ

自然はいつも、当たり前にそばにあるものだった

生まれも育ちも石巻です。小さい頃から海で遊ぶのが日常でした。釣りとか、磯遊び、スノーケリング...。自然の豊かな厳しさも、遊びながら学びましたね。自然はいつも、当たり前に自分のそばにあるものでした。」

そんな幼少期が原体験になっているのだろうか、了大さんはとにかく自然、特に海が大好きだ。高校卒業後に海外へ留学しようと決めたときも、留学先をハワイにしたのは豊かな自然に惹かれたからだそう。了大さんが一番好きな「遊び」だ。

「サーフィンをしている時は、なんて言うか、自然と一緒に遊んでいるっていう感じです。例えば仲間と一緒に音楽フェスへ行ったりするのももちろん楽しいんですがけど、やっぱりサーフィンが勝ちますね。海外旅行にいくのと同じくらい楽しいんです。」どちらかと言うとポーカーフェイスな了大さんだが、サーフィンの話をする時は瞳がきらっと光る。了大さんの話を聞いていると、サーフィンをやってみたくなる。


当たり前の風景を取り戻したい

サーフィンの楽しさを教えてくれたハワイでの生活は、予定よりも早く二年間で引き上げることとなる。東日本大震災が起こったからだ。大学が休暇に入るのを待ち2011年6月に地元石巻へ戻った。そこから約一年半、被災地支援団体のスタッフなどをしながら石巻で過ごしたが、その間もやはり海のことが気になっていた。

震災めの石巻には、海水浴場やきれいなビーチが至る所にあったんです。でも震災後は、海水浴場はたった一ヶ所、ビーチも地盤沈下で激減してしまって。ハワイでは毎日海を見てサーフィンをして過ごしていたのに、地元石巻の海は、サーフィンをやるなんて不可能な状態になってしまっていて。石巻の人たちにとって海は身近なものだったはずなのに、その当たり前の風景がなくなってしまったんです。

それをどうにかしたいと思っていた時にたまたま、石巻海さくらの代表でもある高橋さんが経営するダイビングショップ「宮城ダイビングサービス ハイブリッジ」のことを知りました。それまで、ダイビングはハワイで一度体験したきりだったんですけど。」【海を守りたい】そのための手段の一つとして、ハイブリッジで働きながらダイビングを学んだ。それがきっかけで、石巻海さくらのスタッフとしても活動するようになった。」海さくらでは、毎月行っている海浜清掃の企画運営のほかに、小学校のサマースクールで子どもたちにスノーケリングを教えたり、企業研修の受け入れなどもしている。海をきれいにする活動とはいえ、どこの海岸でも自由に活動できるわけではない。漁師さんやその地区の区長さんなど地元の人の理解が不可欠だ。この四年間、地道に少しずつ信頼関係を築いてきた。

最初は遠巻きに見ていた漁師さんたちがビーチクリーンに参加してくれるようになったり、うちの浜でもやってくれっていう声がかかるようになってきたりと環が広がってきています。

海の新しい楽しみ方「SUP」体験プログラムを開始

石巻海さくらのスタッフは全員、ほかに本職を持ちながら活動している。了大さんの現在の本職は漁村にある古民家カフェを切り盛りしながら、自然の中で遊ぶ楽しさをもっとたくさんの人に知って欲しいと色々な「仕掛け」を考案中だ。

その一つが、「SUP(サップ)」だ。SUPとはスタンドアップパドルサーフィンに立って乗り、パドルを使って漕ぎ進む、ハワイ発祥のマリンスポーツだ。了大さんは2016年の夏から、カフェのある蛤浜でSUPの体験プログラムを始めた。

「サーフィンやろうよって言われても、やったことがない人にはハードル高いじゃないですか。でもSUPだったら波の上に立つ非日常感を気軽に味わえる。ボードに乗っている時は、落ち着いた気持ちになります。平和だなぁ。気持ちいいなぁ。そんなことをぼんやりと考えながら、波の上でゆったりとした時間を過ごしています。」

ビーチクリーンとSUP?

そのSUP、今後は海さくらの活動とも繋げていきたいと考えているそう。石巻海さくらの環が広がって来ている一方で、海が汚れることへの関心が薄れている人も増えたと感じるという了大さん。震災関連のゴミだけではなく一般ゴミが増えて来ているのだ。

震災後の海離れから海への関心まで薄れて来ている気がします。関心がないから汚れちゃっても気にしない。そして汚れた場所にはまたついゴミを捨ててしまう...。だから海をきれ胃にするためにもまず、海を愛する人を増やしたいんです。ビーチクリーンには無関心な人を。SUPを使って惹きつけられたら面白くないですか?ビーチクリーンの後にSUPの体験会をやるとか。あ、あと、つい先日カヤックとカヌーのインストラクター試験にも受かったので、今年からはカヌー体験もスタートするんです!海から離れてしまった人たちや、海が身近だった頃を知らないで育った子どもたちに海で遊ぶのは楽しいんだってことを伝えたい。それが、海さくらを知ってもらうきっかけにもなって、関わる人が増えて、安全に遊べるビーチが一日でも早く復活したらいいな。海に笑顔が戻るといいな。そう思っています。」

最後に、これを読んでいる人たちへ伝えたいことを聞くと、

とにかく海という自然をキーワードにいろんな人がどんどん繋がって行けたら素敵だなぁと思っていて。海が好きな漁師さんも大人も子どもも海の近くに住んでない人もインドアな人も!(笑) 要はみんなですね。もう海関係なくても誰でもいいんです!(笑)みんなおいでよ。一緒に遊ぼう♪」

体験SUP、体験カヌーの問い合わせ

【はまぐり堂】www.hamaguridou.com
info@hamaguridou.com

01:高橋正祥インタビュー▶