第12回(最終回) ダイバー・めしこの うみのなかブログ

めしこです。

12回にわたってお送りしてきましたこの記事も、一旦今回で終了です。

今回は特定のいきものというよりは、うみ全般についてお話ししようと思います。

 

石巻海さくらができたきっかけでもある東日本大震災は、海と人とのつながりを断ち、また一方では海と人との繋がりの強さを再認識させられたできごとだと思っています。

 

よく、震災をきっかけに“海が嫌いになった”“海に行けなくなった”という話を聞きます。

私も震災が起きてからからしばらくは、近づくのが怖かったです。

それからだいぶ時間が経ち、ある日、意を決して、海に行ってみようと思い崩れた防波堤をよじ登ってその上に立ち海を眺めました。

太陽に照らされ輝く水面は、震災前と変わらず美しく、潮風も心地よかったことを覚えています。

あんなにも多くのものを奪ったものなのに、私は不思議と憎く感じることはありませんでした。

 

海が嫌いだという人でも、魚や海藻を食べない人はいるでしょうか。

海が与えたのは、苦しく辛い思い出だけだったでしょうか。

ひとは海から生まれ、地球にいる限り海に生かされ、これからも海とともに生きていきます。

 

陸上と同じように、海の中も復興(と言っていいのでしょうか)が進んでいます。

震災で流出したがれきの中で暮らす魚も多く見られます。

 

津波のあと、激減した植物や海藻も、震災前またはそれよりも多くなっている場所もあります。

絶滅危惧Ⅱ種 タチアマモの群生(女川 竹浦)

 

ひとたび水中に入れば、人懐っこい魚がいたり、

人によってくるフサギンポ

 

豊富な海産資源と、それに寄り添うようにあるちいさな生きものたちもいます。

ウニ、ホヤ、ダンゴウオ

 

陸上と同じように命を育み、次の世代へと繋げています。

マダコの抱卵

陸に多くのひとが暮らしているのと同じように、海の中にはそれよりもはるかに多くの生き物が暮らしています。

たしかに海はたくさんのものを奪っていきましたが、ではその逆はどうでしょうか。

私たち人間が、海から奪っているのものはないでしょうか。

 

油など汚染物質の流出、埋め立て、過剰漁獲(乱獲)…

海さくらで月に一度ビーチクリーンを行っていますが、海洋投棄も大きな問題です。

 

わたしたちの活動は、広大な海にすぐに変化を与えうるものではないかもしれませんが、行動しないことには何も変わりません。

 

これからも、大切な海で生きているもののために、恩恵を受けている私たち自身のために。

ぜひ、これからもみなさんのご協力、ご参加をお願いいたします!

 

全12回、宮城の海にいるいきものについて(好き勝手に)お届けして参りましたが、いかがでしたでしょうか?

少しでも海に興味をもつきっかけになったり、海のことを知ってもらう機会になったのであれば幸いです。

この記事はまだ続くかどうかわかりませんが、またお目にかかる時がありましたら、ぜひよろしくお願いいたします!

 

ここまでお付き合いいただきましてありがとうございました!

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