ダイバー・めしこの うみのなかブログVol.2 第6回~ピンク色のひみつ 編~

めしこです。

早いもので今日で2019年も終わりですね…!

年末年始っぽいいきものでも紹介しようかなぁとも思ったのですが、どうあっても正月の具材になるようないきもの(ナメタカレイとかナマコとか…)しか思いつかなかったので、全く関係ないものを紹介していきます(笑)

 

よく写真の背景がピンクなので、「写真の色編集しているの?」と言われたことがあるのですが、

いえいえ。元からピンクなのです。

 

たとえばこの間の記事でも使ったこちらの写真。

背景がピンクです。

ただの岩なのですが、そこに”石灰藻(せっかいそう)”といういきものが固着しています。

これは名前の通り藻のなかまですが、”藻”というともっとふさふさしていてやわらかいものを想像するかと思います。

石灰藻はかたーい石灰(炭酸カルシウム)をからだに含む藻です。イメージ的にはなんだか矛盾している生物ですね(笑)

 

この写真中央の虫のようないきものは”タルマワシ”という、エビの親戚のようないきもの(ちなみに大きさは2㎜)ですが、その周りにあるピンク色のいぼいぼ、これも石灰藻です。ミヤベオコシ といいます。

 

 

やわらかそうに見えますか?

触ってみるとカッチカチ。岩のように固いです。

石灰藻は”サンゴ藻”とも呼ばれています。サンゴも固いものは固いですよね。

ただし、いきものの分類としては全く違う種類です。一般的な石灰藻は光合成をおこなう植物であるのに対し、一般的なサンゴは刺胞動物(しほうどうぶつ)という、クラゲなどと同じくくりの中に入ります。

サンゴはぱっと見て植物のように見えますが、実は動物なのですよ~!

刺胞動物なだけあって、激しいかゆみや痛みを引き起こすものもいますのでむやみに触れないように注意してくださいね。

 

さて、この石灰藻ですが、このようにピンク色で写真映え~するのは”紅藻サンゴモ”のなかまです。

ダイバーくらいしか知らないんじゃないの?と思うかもしれませんが、アクアリウムを趣味でやっている人にはなかなかなじみのあるものかもしれませんね。

見た目も華やかになるので、水槽の中で悪戦苦闘しながらも増殖させておられる方もいるくらいです。

 

私は水中にライトを長期間放置してしまったことがあるのですが(落とした)、引き上げたライトはピンク色のサンゴモが付着していました。これは洗っても取れません。

 

(イセエビの子どもとピンクの壁)

 

写真を撮る時には、灰色や茶色の岩肌よりもピンクや赤という色が会ったほうが映えるのですが、

非常に硬い石灰でおおわれており、石灰藻で覆われた岩の上には海藻が育ちにくくなります。

一方で、サンゴ礁の形成を助けるなどの働きをするものもあるようです。

自然もなんでもそうですが、一方にとってはいい働きをするものが、もう一方にとっては不都合になるというのはよくあることですね。

 

また、人間が介入して改善するものもあれば、逆に悪影響を及ぼすこともあります。

手を入れる前にきちんと環境や生物のことを学んで、理解したうえで行動したいですね!

 

さて、何かと忙しい年末(しかも31日)に、ここまでお付き合いくださいましてありがとうございました!

(しかも今回も一般的ではないいきものの紹介でした (笑))

 

来年もどうぞお付き合いいただけますと幸いです。

よろしくお願いいたします~!

 

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